歌舞伎を代表する大名跡を継ぎ、豪快な荒事を見せた12代目市川団十郎(いちかわ・だんじゅうろう、本名堀越夏雄=ほりこし・なつお)さんが3日午後9時59分、肺炎のため東京都港区の病院で死去した。66歳。東京都出身。葬儀・告別式の日取り、喪主は未定。

 2004年5月に急性前骨髄球性白血病と診断され一時舞台を休演、翌年再発の疑いがあるとして再度休演したが、06年5月に舞台復帰した。

 11代目団十郎の長男。1958年六代目市川新之助、69年には10代目海老蔵、85年12代目団十郎を襲名した。「勧進帳」の弁慶や「助六」「鳴神」などお家芸の「歌舞伎十八番」を当たり役とした。荒事と呼ばれる演技に優れ、骨太で明るく、おおらかな芸風で親しまれた。