石原軍団が恩返しの盛り上げ役を買って出た。累計売り上げ11億本を誇る宝焼酎「純」の品質宣言パーティーが5日、東京・グランドプリンスホテル新高輪で開かれ、製造・販売元の宝酒造と縁深い石原プロの俳優が勢ぞろいした。1000人以上が出席するパーティーは、渡哲也(66)による乾杯で一気に盛り上がった。

 渡は感謝の気持ちを込めて杯を上げた。昨年死去した宝酒造の大宮隆相談役は石原裕次郎さんにとって恩人だった。2人は40年前、出会った途端に意気投合。大宮さんは酒を酌み交わしながら、石原プロ社長の裕次郎さんに、経営者の心構えをさりげなくアドバイスした。早くに父親を亡くした裕次郎さんは、大宮さんを父のように慕い、同社の日本酒「松竹梅」のCMに出演。借金を抱えた時も大宮さんの励ましやバックアップで乗り越え、2人は強い絆(きずな)で結ばれた。

 裕次郎さんの遺志を継ぎ石原プロ社長を務める渡はこの日、「純」が同プロ結束の源だったことを明かした。ドラマ「西部警察」の撮影が終わると裕次郎さんを先頭に、後輩俳優やスタッフが同プロ本社に集合。「純」のボトルを何本も空けながら、裕次郎さんが製作・主演の映画「黒部の太陽」などを見て熱い思いを語り合ったという。大宮さんが愛した「純」を裕次郎さんも愛し、銀座の高級クラブにボトルをキープ。別荘のあったハワイでもヨットクルーたちと楽しんだ。

 この日は、発売30周年を迎えた「純」の高品質をアピールするパーティー。裕次郎さんから引き継いで「松竹梅」のCMキャラクターを務める渡は、会場で「純」を楽しみながら「おめでたいことと同時に、裕次郎さんのことを思い起こしております」と顔をほんのり赤らめた。