俳優座の女優美苗(みなえ、56)の処女戯曲「心の止(とま)り」が俳優座公演として9日から15日まで東京・両国のシアターχ(カイ)で上演される。

 「水戸黄門」の風車の弥七役で活躍した俳優中谷一郎さん(04年に73歳で死去)の妻美苗にとって、脚本執筆は亡き夫との約束だった。がんと闘う中谷さんを看病する傍ら、少女時代の夢だった脚本執筆を始めた美苗を後押ししたのが夫だった。中谷さんは死の直前に「僕が死んでも書き続けてほしい」と語り、「1人になっても書いていく」と答えた美苗は言葉通りに脚本を完成させた。

 「心-」は熟年夫婦が暮らす2世帯住宅に夫を亡くしたピアノ教師鮎子(美苗)が越してくることからドラマが展開する。「ピュアなものを書きたかった。人間っていいなと共感してもらえたら」と話す。俳優座66年の歴史で所属俳優による脚本を上演するのは初めて。「こんなありがたいことはないけれど、責任重大。でも、今は腹も据わってきました」。

 [2010年9月1日11時26分

 紙面から]ソーシャルブックマーク