第175回芥川賞、直木賞(日本文学振興会主催)の候補作が10日、発表され、直木賞の候補作にオードリー若林正恭(47)の小説「青天(あおてん)」(文芸春秋)がノミネートされた。7月15日に選考委員会が開かれ、授賞作が決定する。
若林は、13年からエッセーを刊行してきたが、「青天」は初の小説作品。99年の東京を舞台に、弱小アメリカンフットボール部に所属する主人公が、引退試合で強豪校に敗れた後、自分自身のふがいなさにもがきながらも、再びアメフトと向き合う姿を描く青春小説。今年2月に発売されるとたちまち話題となり、書店から姿を消す現象が起きた。その後重版を繰り返し、累計部数29万部(10日現在)を突破している。
若林は出版社を通じ「とにかくアメフトが好きで夢中で書いた作品なので、直木賞の候補作に選ばれるとは思ってもいませんでした」とコメント。「主人公のアリが、想像よりずっと力強く、遠くまで走っていくなあと。『そのまま直木賞にぶち当たってこい』と背中を見守る気持ちです」と続けた。
これまで、NEWS加藤シゲアキ(38)が「オルタネート」(20年)と「なれのはて」(23年)の2度、直木賞候補に選出されているが受賞はならず。同じ芸人ではピース又吉直樹(46)が、15年に初小説「火花」で芥川賞を受賞。現役のお笑い芸人による純文学の受賞で日本中を驚かせたが、若林の受賞にも期待がかかる。
○…「直木賞」の候補にはほか、朝倉かすみ「けんぐゎい」、蝉谷めぐ実「見えるか保己一」、凪良ゆう「多類婚姻譚」、原田ひ香「#台所のあるところ」が入った。また、「芥川賞」の候補には小砂川チト「ゾンビ回収婦」、鈴木涼美「悪い血」、仁科斂「丹心」、村司侑「ソリティアおじさんがいた頃」、八木詠美「アンチ・グッドモーニング」が入った。
◆直木賞 「文芸春秋」を創刊した菊池寛が、前年に43歳で死去した直木三十五を記念し1935年に創設。大衆文学の作家が対象で、同時に誕生した芥川賞は純文学の新進作家が対象となる。選考委員会は年2回。正賞は時計、副賞100万円。第1回受賞者は川口松太郎。(敬称略)



