渡瀬恒彦(66)主演のテレビ朝日系木曜ミステリー「おみやさん」(木曜午後8時)が今日28日、スタートする。京都鴨川東署資料課長の鳥居勘三郎(おみやさん=渡瀬)が過去の資料をもとに難事件を解決していく人気シリーズも第8シリーズを迎えた。

 02年春の第1シリーズから10年目。長く愛されていることに渡瀬は「見ている方が支持してくださってる最大の証明ですから、とてもうれしくありがたく思います」と感謝する。そして「おみやさん」の魅力について、自らが長く演じている「十津川警部」と比較して分析した。「十津川は相手の反応は関係なく、直球を投げる。おみやさんは相手とのやりとりの中でカーブを投げられるんですね。優しいんだと思います」。

 十津川が犯人にズバリと切り込む一方、おみやさんは相手とのやりとりを重ねながら自首するよう促していく。派手なガンアクションもカーチェイスもない代わり、家族で楽しめる安心感と深い人間ドラマにひかれるのだろう。

 最新シリーズでもこのテイストは変わらない。さらに木曜ミステリー枠ならではの「京都色」を前面に出していく。スタート当初から作品の舞台も撮影もすべて京都だったが、今回はゲストの職業にも和傘職人や桜守といった京都らしさを打ち出す。京都をよく知る渡瀬も、台本にあった「ベージュ色」を「亜麻色」に変えるなどセリフの細部にまで気を配り「京都らしさ」を意識しているという。

 渡瀬は「京都は何年たっても発見の多い場所。京都の町並みや伝統美を楽しんでほしい」と京都への親しみをにじませる。おみやさんの名推理とともに春の京都も楽しみたい。