10月1日スタートのNHK朝の連続テレビ小説「純と愛」のヒロインが21日、女優夏菜(22)に決まり、大阪市内、東京都内でそれぞれ発表会見が行われた。87作目の主演に2258人の中から抜てきされた夏菜は前日までスペインに滞在し、決定は大阪での会見の1時間前に聞いたという。

 朝ドラの印象を聞かれ「子どもからお年寄りまでが見る“国の”ドラマ」と率直なコメントを口にした。朝ドラのオーディションは05年前期「ファイト」、08年前期「瞳」に続き3回目で、1次試験を通過したのも初めてだった。

 12人残った3次最終テストでは、約10分の芝居があったという。終了後には「家政婦のミタ」をヒットさせた脚本の遊川和彦氏から「ぼろっくそに涙流すぐらい言われて、ボロボロになって東京へ帰った」と、夏菜は振り返った。この日、夢を問われ「コメディエンヌになりたい。目標は天海祐希さん」と、勝手に大先輩を喜劇女優に。持ち前の型破りなキャラクターの一面をのぞかせた。

 夏菜は映画「GANTZ」などに出演し、フジ系バラエティー「ピカルの定理」(土曜午後11時10分)でコントにも挑戦中で、突撃精神は旺盛だ。今作は、沖縄・宮古島育ちのヒロイン純が父と対立し、大阪で同じホテル業界で働きつつ、成長していく物語。山本敏彦プロデューサーは「肉食系女子のヒロイン像と、何でも食らいつく彼女の性格が合致した」と決め手を明かした。【村上久美子】

 ◆夏菜(なつな)1989年(平元)5月23日、埼玉県生まれ。映画「君に届け」「GANTZ」シリーズ、テレビドラマ「カルテット」「シマシマ」「俺の空~刑事編~」「らんま1/2」や、舞台、モデルとしても活躍。かつては「渡辺夏菜」として活動していたが、09年に改名。血液型A。