89年に死去した美空ひばりさん(享年52)が13歳の時の米国公演を記録した音源が62年ぶりに見つかったことが5日、分かった。占領下で日本人の海外渡航が制限されていた時代の先駆け的なツアーの一環で、戦後の日米関係や芸能史を知る上で貴重な資料だ。

 発見したのは、米シカゴ大のマイケル・ボーダッシュ教授(50)。日本のポピュラー音楽を研究した著書「さよならアメリカ、さよならニッポン」の執筆過程で、カナダ在住の録音機器コレクターが持っていた古い針金録音機の中に複数の日本人歌手の歌が録音されているのを見つけた。

 内容から、美空さんが50年6月24、25日に開いたカリフォルニア州サクラメントの公演と判明。大人びた声で笠置シヅ子さんの「ヘイヘイブギ」や英語曲「ボタンとリボン」などを歌う様子が収められていた。