ダイナミックな映像が売り、幕末維新記念館
ダイナミックな映像が売り、幕末維新記念館

 東京から空路、福岡へ到着。さらにJR九州の特急で博多から約37分、佐賀へやって来た。


お目当ては明治維新150年にちなむ「肥前さが幕末維新博覧会」だ。「薩長土肥」の“肥前”である佐賀は、類まれなる技術力・「技」、教育改革が生み出した多くの偉人・「人」、そして、これらの根底に流れる「志」をもって、明治維新の鍵を握った。そんな佐賀の歴史を知り、佐賀の文化、アート、食を楽しむ博覧会が来春1月14日まで開催中だ。 


                 ◆

   

 さて、会場となるのは佐賀市城内エリア(市村記念体育館、旧三省銀行、旧古賀家、さがレトロ館、県立美術館、県立博物館、佐賀城本丸歴史館)である。


見どころはタップリなのだが、各会場をどう遊覧すべきか。そこで土日祝日限定で運行している「幕末維新博巡回バス」に乗り込んだ。佐賀市城内エリアから柳町エリアまでを結ぶ巡回バスは、1日15回、30分間隔で運行(10時~17時まで)。


もっとも土地勘のない人間がバスを利用する際、どこにバス停があるんだろうと心配にもなる。そこで巡回バスと同じルートをなぞり、それぞれのバス停付近の目印を紹介したい。(詳細は「佐賀市営バス」のウェブサイト検索)


まずは佐賀駅から「幕末維新博巡回バス」の始発・終点★「佐賀城跡」バス停を目指す。駅からタクシー、徒歩でも30分、約2キロの距離だ。ここでは、佐賀城本丸歴史館、ユージアム サガ、佐賀県立博物館・美術館が近い。バス停からすぐ佐賀城の鯱の門が見える。


 ■佐賀城本丸歴史館 佐賀城本丸御殿の一部を復元した建物は圧巻。日本の近代化を先導した幕末維新期の佐賀の歴史を紹介。会期中は、幕末維新期の佐賀藩の「技」、「人」、「志」をテーマとした3つの特別展を開催している。


 ■ユージアム サガ 明治期に建てられた洋館で、明治期のデザインの器や、人間国宝、三右衛門の器で佐賀県食材の特別メニューが楽しめる。


次に停車したバス停は★「大隈重信記念館入口」。目の前には、武家屋敷の門。大隈重信記念館にはここが便利だ。


■大隈重信記念館 総理大臣を2度、早稲田大学創設で知られる大隈重信。記念館は、その功績に関する映像や貴重な資料を展示する。館内では常設展示のほか、明治維新150年の節目として、明治維新をテーマとした企画展やワークショップを開催する。


続いて北に直進すると、★「呉服元町」バス停。柳町の葉隠みらい館やリアル弘道館、呉服元町にあるオランダハウスが近い。


■葉隠みらい館 武士の心得を表した佐賀発祥の「葉隠」を、現代のビジネスや日常生活に役立つ「心構え」として分かりやすく紹介する。「葉隠ことばのシアター」「葉隠ヴァーチャル体験」など多彩だ。


■リアル弘道館 大隈重信や江藤新平など、近代日本の礎を築いた偉人たちを輩出した藩校「弘道館」を紹介、その学びを体感できる。「弘道館の一日」「弘道館おもしろ探検マップ」「大隈重信メモリーズ」など藩校の有り様が理解できる。


次はバス停★「エスプラッツ前」。佐賀玉屋本館1階の「ながさき幕末維新館」にはここで降車。


■ながさき幕末維新館 長崎県が設置する展示館。幕末維新期の日本について、長崎・佐賀を舞台に志士たちが新しい知識を学び、日本の近代化を成し遂げていった活躍を紹介する。幕末、明治期の、日本における最初期の写真家・上野彦馬が紹介する「幕末維新と長崎・佐賀」、テーマグラフィック「幕末維新と長崎・佐賀」、上野撮影局で記念写真など、1868年幕末維新期の長崎へタイムトリップしよう。


続いては★「県庁前」バス停で佐賀バルーンミュージアム。★「佐嘉神社前」バス停からは徴古館へ。


■徴古館 鍋島家伝来品を展示する徴古館では、佐賀藩を治める大名から皇室を支える華族(侯爵)となった、幕末から明治にかけての鍋島家の歴史を紹介する。


さらに★「県庁舎」バス停へ。幕末維新記念館(市村記念体育館)を訪れよう。


■幕末維新記念館 博覧会のメインパビリオンとして、幕末維新期の佐賀の偉業や偉人などを最新の映像技術等によりダイナミックに紹介。「幕末維新」体感シアター、「技」からくり劇場、「人」賢人ラウンドシアターなど、そこはまさに1868年、明治維新の舞台だ。記念館という堅苦しいイメージを払拭(ふっしょく)、大型画像にくり広げられる佐賀藩維新ドラマは若者にもアピール、あ然とするほどの迫力だ。


また、三重津海軍所跡・佐野常民記念館には、「ぐるっと世界遺産観光バス」が便利だ。


★詳細な観光情報はHP「JR九州」「JR九州 肥前さが幕末維新博覧会」で検索。なお、JR九州では観光にお得な「肥前さが幕末維新博覧会 チケット3」、「肥前さが幕末維新博覧会きっぷ」を好評発売中。格安で現地を楽しむことが出来る。


                  ◆


 さて、佐賀からは新鳥栖、JR九州新幹線で新八代、ここからは観光列車「肥薩おれんじ鉄道『おれんじ食堂』」に乗車、川内へ向かう。この観光列車、「九州の西海岸の風景を眺めながら、のんびりと旅を楽しめる空間」をコンセプトとする。


これが車内とは思えぬ観光列車「オレンジ食堂」
これが車内とは思えぬ観光列車「オレンジ食堂」

 関係者によれば「便ごとに趣向の異なるお料理も自慢の一つ。沿線の食材をふんだんに使ったメニューは、おれんじ食堂でしか味わえない一品ばかり。生産者と料理人のこだわりが詰まったお料理を、客室乗務員がまごころ込めてサーブします。停車駅ではマルシェ(市場)も開かれており、地元の方とふれあうひとときも旅の醍醐味」とのことであった。


 この日提供された「スペシャルランチ」は、フレンチの鉄人・坂井裕行シェフ監修スペシャルメニュー。鹿児島県産黒毛和牛・ばら肉のシチュー、天然蛸、熊本ゴボウのクリームスープからデザートまで、全品地元食材を駆使した逸品揃い。


 1日4便(出水~新八代~川内間)が設定されており、「プレミアムモーニング」「スウィーツ」「ディナー」などの各種プランが用意されている。今回は停車駅で地元からのプレゼントもあり、両手に持ちきれないほどのお土産に思わずにんまり。★乗車料金、コースも多彩。詳細は「おれんじ食堂 / 肥薩おれんじ鉄道」(0996・63・6861)で検索。


                   ◆


JR九州新幹線・川内~鹿児島中央を経て、「西郷どん」の地・鹿児島市内へ。ここで「西郷どん 大河ドラマ館」を訪ねる。


西郷隆盛ゆかりの甲突川から桜島を望む 
西郷隆盛ゆかりの甲突川から桜島を望む 

西郷家・大久保家をイメージした撮影セットの一部再現や、鹿児島ロケのメイキング映像の上映、プロジェクションマッピングを活用したクイズコーナー、ドラマで実際に使用された小道具や衣装の展示など、大河ドラマの世界観を体験できる。NHK大河ドラマの進行に合わせて、展示内容も充実してゆくそうだ。 


★詳細な観光情報はHP「JR九州」「西郷どん 大河ドラマ館」「鹿児島県観光サイト/かごしまの旅」で検索。


【文化社会部編集委員・石井秀一】(ニッカンスポーツ・コム/コラム「新聞に載らない内緒話」 (2018年5月)