初防衛を目指す伊藤匠王座(叡王=23)と、初登場の広瀬章人九段(39)が1勝1敗で迎えた、将棋の第74期王座戦5番勝負第3局が2日、北海道ニセコ町の「ニセコ温泉郷 いこいの湯宿 いろは」で行われた。
午前9時から始まった対局は、相掛かりからの研究手順がぶつかり合った。途中、千日手模様にもなったが、打開された中盤、2筋に香を成り込む強手でペースをつかんだ伊藤が午後6時2分、100手で広瀬に快勝。2勝1敗として防衛に王手をかけた。第4局は14日、神戸市「ホテルオークラ神戸」で行われる。
伊藤が一気に突き放した。局面が激しさを増した中盤、香成の一手をひねり出した。
「見えていなかった」と広瀬がつぶやくほどの意表を突く一撃が、ニセコ対局の分岐点となった。ここから攻めがさえ渡り、広瀬玉を攻略した。伊藤の会心の勝利だった。「定跡が深い将棋で、細い手をつなげていけた。しっかり時間を使ってうまく指すことができた」と振り返った。
第4局で初防衛がかかる。3連覇中の叡王戦と、昨年の王座戦はすべて最終第5局でタイトル獲得を決めている。「ミスター・フルセット」が、最終局を待たずして決めるのか。「しっかり準備をしていい状態で臨みたい」。対局時と同じくひょうひょうとした表情で話していた。

