簗和生前農相が衆院選公示日の1月27日に栃木県大田原市内で開いた出陣式で、手拭いの形状をした鉢巻きが無償で配布されていたことが3日、分かった。出陣式に参加した複数の支持者が「鉢巻きを受け取り、回収されなかった」と証言。一部は受け付けの際に手渡されたと話した。関係者によると、簗氏の事務所側が業者に発注して用意した。
公選法は当選目的で有権者に物品を供与することを禁じており、他陣営では式終了後に回収するケースもある。シャトルバス無料送迎問題を含め、説明責任を問う声が高まる可能性がある。共同通信は事務所を通じて鉢巻き配布の経緯を複数回質問したが、3日までに回答を得られなかった。事務所側は簗氏本人に質問状を渡しているとし「回答するかどうかは議員の判断になる」とした。
参加者や陣営関係者によると、出陣式は1月27日夜に大田原市中心部の空き地で開催され、数百人が参加した。鉢巻きには黒字で「必勝」と書かれ「必」と「勝」の間に日の丸とみられる赤い円も描かれている。簗氏の氏名は印字されていない。
鉢巻きの代金を支払った参加者は確認されていない。同県那須町の男性は「地方議員の中には集会後に回収する人もいる」と話した。簗氏の出陣式で受け取った支持者の一部は、手拭いとして再利用しているという。
総務省は、鉢巻きが公選法が供与を禁じる物品に当たるかどうかは「具体的な事実関係に即して判断される」と説明。栃木県選挙管理委員会は個別の事案にはコメントできないとした上で「鉢巻きの配布は財産上の利益の供与に該当すると考えられ、候補者から問い合わせがあれば『差し控えて』と伝える」とした。
簗氏を巡っては、出陣式で支持者をシャトルバスで無料送迎した問題なども判明。公選法違反容疑の告発状が宇都宮地検に送付されている。
2月投開票の衆院選で簗氏は栃木3区で敗北し、比例復活。9月の内閣改造で農相に就任したが、予算カット発言やバス問題で野党の追及を受け、10月15日に辞任した。(共同)

