将棋の最年少プロ棋士、藤井聡太四段(14)が2日、自身の持つデビュー後の連勝記録を「20」に更新した。大阪市の関西将棋会館で指された第43期棋王戦予選決勝で後手の澤田真吾六段(25)を155手で破り、決勝トーナメント進出を決めた。

 連勝記録「20」は個人の歴代連勝記録では歴代6位タイ。澤田六段は今期の王位戦挑戦者決定リーグ紅組5戦5勝で勝ち抜け、勝った相手がすべて公式戦優勝経験者の八段。ここまで公式戦8連勝中の強豪だった。藤井四段が最終盤に大逆転勝利を飾った。

 午前10時から始まった対局は午前11時28分、61手で千日手が成立し、指し直しとなった。午後0時40分から指し直し局がスタートし、藤井四段が激戦を制した。千日手は同じ局面が4回現れた時点で無勝負となる。

 藤井四段の次戦は、7日の上州YAMADAチャレンジ杯で都成竜馬四段(27)と対戦する。勝ち続ければ午後に最大2局があり、1日で3連勝の可能性がある。歴代最長の連勝記録は、神谷広志八段が1987年(昭62)に記録した28連勝。

 藤井四段は昨年10月、史上最年少の14歳2カ月でプロデビュー。それまで現役最高齢の加藤一二三(ひふみ)九段(77)が持っていた14歳7カ月の最年少記録を62年ぶりに塗り替えた。

 4月4日にはデビュー後11連勝を達成し、プロ公式戦の新記録を樹立。5月25日、竜王戦6組決勝で近藤誠也五段(20)を破り、史上最年少で決勝トーナメント進出を決めた。歴代単独7位となる19連勝を達成した。

 終局後、藤井四段は連勝記録更新に「ここまで連勝できてたのはうれしいです」。次戦に向けては「公式戦での連勝は続いていますが、1局1局を大事に指していきたい」と話した。