「小池新党」は24日、着々と候補者擁立を進めた。「日本のこころ」代表の中山恭子参院議員(77)はこの日、小池百合子都知事(65)と都内で会談し、北朝鮮による拉致被害者への対応などについて協議し、政策が一致すれば新党に合流したいとの考えを伝えた。夫の中山成彬元文部科学相(74)も同席した。自民党からは初の新党参加者も出たほか、無所属の行田邦子参院議員(52)も正式に新党参加を表明し、次期衆院選で埼玉県の15小選挙区全てで候補者擁立を目指す方針も明かした。

 会談後、小池氏は記者団に対し、中山氏から「新党に参加できないか」との打診を受けたと明かした。拉致問題や今後の日本のあり方などについて意見交換。「憲法観では大きな違いがあるのでは」と問われても「基本的にそれはない。取り組みは特に齟齬(そご)はない」と、同じ方向を向いていると強調した。

 新党合流への判断はあくまで側近の若狭勝衆院議員だとし、会談内容を伝えて判断を仰ぐ。

 中山氏は「拉致問題、経済問題、憲法観の考え方が新党で生かせるなら一緒に活動したい。小池知事個人の考えとは、たくさん一致した」と断言。個人的な思いと断った上で、小池氏の代表就任を希望した。

 自身の衆院鞍替え出馬は否定も、同席した夫の成彬氏は新党から出馬する意向を示した。同氏は14年の前回衆院選、16年の参院選で落選中。

 この日午前には自民党の衆院議員、福田内閣府副大臣(53)が若狭氏とともに都内で会見し、自民党離党と新党参加を表明。今日25日に離党届を提出する。

 若狭氏はこれまで、細野豪志元環境相と結成する新党は「第2民進党」にしないと強調。新党発足メンバーは、民進党の離党者を最小限に抑える方向となっており、保守勢力を取り込むことで民進党色を薄める狙いがありそうだ。

 勢力拡大はさらに続きそうで、民進党の松原仁元国家公安委員長は24日夜、離党して新党に参加することも含め対応を検討していると記者団に明かした。「最善の道を考えたい。民進党の状況がどうかも含めて判断しないといけない」と述べた。

 また、行田参院議員も衆院鞍替え出馬は否定したものの新党へ参加し、埼玉県の全15小選挙区で候補者擁立を目指すと宣言。新党はこれまで東京都全25区、神奈川県全18区での擁立を目指すとしていた。細野氏の地元静岡で3人の出馬を検討しており、合わせると61人の候補者擁立となる。今後は千葉県全13区の動向にも注目が集まる。