公式戦29連勝の新記録を樹立した将棋の最年少プロ、藤井聡太四段(15)が28日、大阪市の関西将棋会館で指された第66期王座戦1次予選で豊川孝弘七段(50)を109手で破り、17年最後の対局を白星で飾った。公式戦通算は55勝10敗。

 熱戦を制した藤井は「途中、指し手が難しくなってしまった。序盤にもっと積極的に行くべきかもしれなかった。終盤もいろいろと選択肢がある中でも、まとまらなかった」と反省した。

 前回の対局に続き黒星を喫した豊川は「上手に攻めて来るのでやられちゃったよね。うまくやられちゃったな」と苦笑い。

 藤井にとっては飛躍の1年となった。昨年10月、史上最年少の14歳2カ月でプロ入り。現役最高齢(当時)の加藤一二三(ひふみ)九段(77)が持っていた14歳7カ月の最年少記録を62年ぶりに塗り替え、話題を呼んだ。昨年12月、プロデビュー戦で加藤九段と対局し、勝利。4月4日にはプロ公式戦の新記録となるデビュー後11連勝を達成した。その後も勝ち続け、6月には30年ぶりに連勝記録を塗り替えるなど、大活躍の1年だった。社会現象にもなった「藤井フィーバー」は「新語・流行語大賞」にもノミネートされた。

 「今年はいろいろな経験をすることができた。大きな1年になりました。最後の対局も勝つことができてよかった」。来年に向けて「今年の経験を糧にして1歩1歩、成長できる1年にできれば」と抱負を語った。中学最後の正月は、家族とゆっくり過ごすことを楽しみしている。

 次戦は来年1月6日、王位戦で大橋貴洸四段(25)と対局する。