財務事務次官を辞任した福田淳一氏のセクハラ問題で、セクハラなどの問題に取り組む女性らが28日、東京・JR新宿駅で街頭運動「私は黙らない0428」を開き、約2000人(主催者発表)が耳を傾けた。

 大学院生是恒香琳さんは「財務省はセクハラ認定したが、福田さんは認めておらず、謝罪もしていない。セクハラ問題を軽視し矮小(わいしょう)化している麻生太郎財務相も謝っていない」と批判。「NOと言えない人が口を封じられてきたが、いつまでも黙っていません」と訴えた。

 中学時代に男性教師から性被害を受けたフェミニストの男性コーディーさんは「女性たち告発頑張ってと思っている男性は多いと思うが、片方の性だけの問題ではない。この議論を男と女の戦いにして分断するんじゃなく、共に戦っていかなければいけない」とし、女性だけでなく男性もこの問題に向き合うべきだと訴えた。

 財務省が発表した福田氏の聞き取り調査の中で、セクハラ疑惑について「お店の女性と言葉遊びを楽しむことはある」などとした発言について、元セックスワーカーで、セックスワーカーの人権を守る団体SWASHのげいまきまきさんは「日本では女やとかキャバやとか立場や枠でモノが見られがちだが、キャバや風俗の仕事なら性暴力を受けていいということではない」と批判。「私のこの体は切られたら血がでるし、ひどいこと言われたら悲しい。どんな仕事にも人権はある」と呼びかけた。

 性暴力被害を公にしてフェミニズム活動に取り組む福田和香子さんは「麻生氏だけが異常なんじゃない。彼があの大臣の立場に居られるのは、似た考えの人が支持しているからだ。問題は広く根深く氷山の一角。これを機に、社会の1人1人が今、意識を変えていくしかない」と話した。

 性暴力被害を告発したジャーナリスト伊藤詩織さんも「あなたの愛する人に起きたらと想像して。その瞬間から被害を止められる」とメッセージを寄せた。