学校法人「加計学園」の加計孝太郎理事長は19日、岡山市の学園本部で会見し、獣医学部新設をめぐり、15年2月25日の安倍晋三首相との面会が「愛媛県文書」に記載された背景について、県に情報を伝えたことを認めた渡辺良人事務局長の判断だったとの認識を繰り返した。

 「こと(獣医学部新設)を前に進めるために、(虚偽の話を)申し上げたと(渡辺氏から)報告を受けた」と主張した。

 記者から「渡辺さんが勝手にやったのか」と指摘されると、「はいそうです」「前に進めるために申し上げたということ」と繰り返した。

 事務局長からその報告をいつ受けたか、またその時に面会の真偽を確認しなかったのかと突っ込まれたが、「記憶にございません」とかわした。

 「虚偽の発言の上に、大学が新設されたことになる」と、獣医学部新設をめぐる不透明さをあらためて指摘されたが、「虚偽の発言だが、前に進めるためにやった。申し訳ない」と述べるにとどめた。

 理事長への忖度(そんたく)で虚偽の報告が行われたのか、との質問には「申し訳ございませんでした。これから気をつけます」と、素っ気なく答えた。