西日本豪雨が初期段階にあった今月5日夜、「赤坂自民亭」と呼ばれる自民党議員との飲み会に初参加し、危機管理がないと批判されている安倍晋三首相は11日、豪雨で甚大な被害を受けた岡山県を視察した。

 首相は視察後の取材で、今回の豪雨に対する初動対応について質問され、「発災以来、政府として一丸となって取り組んできた」と述べ、対応に問題なかったとの認識を示した。ただ当日午後、すでに気象庁は記録的豪雨の恐れありとして厳重警戒を呼び掛けており、飲み会は被害拡大のさなかに行われていた。

 一方、首相は「すさまじい被害の爪痕を目の当たりにした。国が一丸で、仮設住宅確保など被災者の生活再建に取り組む」と訴え、被災自治体への支援体制強化で激甚災害の指定を急ぐ考えも示した。この日は倉敷市真備町地区で、犠牲者に献花し、黙とう。避難所で被災者の声も聞いた。今後、同様に被害が大きい広島、愛媛両県も訪れる。

 首相の「赤坂自民亭」参加は、9月の党総裁選を意識したとみられることも、批判拡大の一理由。被害が大きい広島が地元の岸田文雄政調会長も参加し、同様に批判されている。信用回復のためなのか、自民党は12日以降、岸田氏や竹下亘総務会長、二階俊博幹事長ら党幹部も被災地を回る。