20年東京オリンピック組織委は30日、ギリシャで採火した聖火の到着地を東日本大震災の被災地、宮城県東松島市にある航空自衛隊松島基地とする案を発表した。聖火リレーに先立って、被災3県を2日ずつ巡回させる「復興の火」計画を同所からスタートさせ、岩手を通り、聖火リレーのグランドスタートとなる福島へ回る。森会長は「大きな津波被害から復興した象徴的な場所。さらに雪でも聖火を到着させなければならない。空自の空港はそれができる」と選定理由を語った。

 「復興の火」を接続し、聖火リレーがスタートする福島県の内堀雅雄知事は出発地について「日本では例がない災害で、原発被害は10年では完了しない。光と影、両面を世界に発信できる場所にしたい」と述べた。「Jヴィレッジは候補か」と問われ「具体的な明言は避けたい」としながらも「今も帰還困難区域という入れない地域があり、日本の歴史にはなかったエリアがある。配慮しながら選定したい」と語った。

 今も大部分で人が立ち入れない帰還困難区域に指定されている大熊町、双葉町を聖火リレーが通る可能性について、組織委の布村幸彦副事務総長は「工夫して検討できると思う」と語り、原発立地町でのリレー実現に向け、前向きな姿勢を見せた。