4日の台風21号の影響でタンカーが衝突して連絡橋が通行できず利用客ら最大で約8000人が孤立した関西空港は、滑走路やターミナルビルの運用再開まで1週間程度かかる見込みだ。
台風通過から一夜明けた5日、タンカーが衝突した関西空港の連絡橋の被害状況が次第に明らかになってきた。NEXCO(ネクスコ)西日本は「損傷が激しく、補修にかなりの時間を要する」とし、数カ月以上かかる可能性がでてきた。JR西日本と南海電鉄も、復旧の見通しは立っていない。橋の建設に詳しい関係者は「映像を見た上での一般論」とした上で「損傷部分の橋桁の材料がそろうまでに最低3カ月。突貫工事でも原状復帰に半年はかかる」との見方を示した。
橋には自動車専用道路と鉄道が通っている。タンカーがぶつかったのは自動車専用道路の下り車線。ずれた車道が、鉄道の一部に張り出し、電車も通れない状態だ。この日は上り車線を緊急車両や取り残された乗客のバスが通行。安全確認ができれば上り線を一般車両にも開放する方針だが時期のめどは立っていない。
滑走路の冠水も解消していない。人工島の関西空港は94年の開港以来、水没した1期島の地盤が平均3・4メートル沈下。かさ上げも行ってきたが、台風の豪雨と高潮による冠水量に排水処理が追いついていない。
関西エアポート幹部は5日夜の記者会見で、浸水した関西空港の滑走路再開に関し「今の段階でめどは立っていない」と話した。台風被害への対応について幹部は「想定を超えるものが来た」と釈明。橋の復旧の長期化は避けられず、人と物の輸送に大きな影響が出そうだ。
<関西空港アラカルト>
◆開港 94年9月4日
◆特徴 世界初の全人工島の海上空港。旅客と貨物の24時間営業は日本初
◆運営 オリックスとフランスのヴァシンエアポートなどで構成される共同事業体が16年4月から運営
◆貨物取扱量 17年度は約85万トンでうち、約83万トンが国際貨物
◆輸出額 17年の輸出額は約5兆6000億円。半導体など電子部品は約1兆3000億円を輸出
◆国内順位 国内、国際線合わせた乗降客数(約2880万人)は羽田、成田に次ぐ3位
◆連絡橋の輸送量 空港の物流を支える貨物トラック、旅行客を乗せたバス、一般車両など1日の通行車両は1万1400台。関西空港駅の1日の乗降者数は、JR西日本が2万8600人、南海電鉄が3万4459人。関西航空交通のリムジンバスも1日1万7301人を運んでいる

