沖縄県の玉城デニー知事は12日、首相官邸を訪れ、安倍晋三首相と面会した。

玉城氏は、政府の沖縄振興策への謝意を示した上で、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設に、反対する立場をあらためて伝達。「今回の知事選で、辺野古の新基地は認められないとの民意が、あらためて示された。安倍総理におかれましては、沖縄の声に真摯(しんし)に耳を傾けていただきたい。安全保障の負担は全国で担うべき問題だ」と訴え、「沖縄の民意に沿うような、基地問題の抜本的解決に向けて、取り組んでいただきたい」と呼びかけた。「早急に話し合いの場を設けてほしい」とも求めた。

首相は、「戦後70年以上が経ち、今なお沖縄に米軍基地が集中し、大きな負担になっている現状は、是認できるものではないと考えている」とした上で、「今後も県民の皆様の命に寄り添いながら、基地負担の実現について、1つ1つ着実に結果を出していきたい」と述べた。

しかし、辺野古移設問題の是非には触れなかった。

玉城氏は、知事選初当選から、10日あまりで、首相との面会が実現した。前任の故翁長雄志氏は、初当選後、首相と会うまで約4カ月かかっている。