不正入試による不合格ののち合格追認も、またも“不合格”? 東京医科大は7日、医学部の不正入試問題で、昨年と今年の入試で本来は合格ラインを超えていた受験生計101人の追加合格の判定結果を示した。入学を希望したのは49人。このうち44人には入学を認めるが、一方で枠に限りがあるとして5人については認めなかった。

5人は、いずれも今年の一般入試を受けた女子だった。対象者101人のうち63人を上限に入学を認めると発表していただけに受験生の支援団体などは希望者全員の入学を求めており、反発の声が上がりそうだ。

昨年と今年の受験生に関して、東京医科大は女子と長期浪人生へ、不利な得点操作を行った。これを排除した場合の得点を復元した結果、受験生計101人の追加合格の対象とし、同受験生と意思を確認した。

追加合格の判定は一般、大学入試センター試験利用型、推薦の各入試方式で行われた。希望者の成績上位から枠を埋めていったが、枠に限りがあり、在校生の分も差し引かねばならないため、東京医科大側は全員を受け入れられなかったと説明している。

東京医科大の元受験生や支援者らで結成される「東京医大等入試差別問題当事者と支援会」は11月8日、都内で記者会見を行い、追加合格者の対象者が希望した場合に全員を合格させるように求めた。女子浪人生の1人は「合格ラインに達していたのであれば、全員合格させる以外の選択肢はない」と訴えていた。

東京医科大は判定結果を踏まえ、来年の募集人員から今回入学を認めるとした44人分の枠を減らす。今回の44人の中から辞退者が出た場合、今年受け入れなかった5人の繰り上げはせず、来年の募集人員を増やして調整する。柴山昌彦文部科学相は閣議後の記者会見で「落ち度がないのに不安定な状況に置かれ、その上で不合格となった方がいるのは大変残念だ」と述べた。