日産自動車の前会長カルロス・ゴーン容疑者（65）弁護団の弘中惇一郎弁護士（73）と小佐々奨弁護士が9日午後、都内の日本外国特派員協会で会見を開き、同容疑者が4日にオマーンの代理店側に日産の資金を不正送金し約5億6300万円の損害を与えた会社法違反（特別背任）容疑で東京地検特捜部に再逮捕される前に撮影した動画を公開した。

ゴーン容疑者は動画の中で「皆さんがこの動画を見ているということは、会見が開けなかったということだと思います。全ての嫌疑について私は無実」と主張した。その上で「非難は全て私を強欲な人物、独裁的な人物とするもの。今、起きていることは陰謀、謀略、中傷ということ」とも言及した。

さらに「日産の業績が大きく低下している。起きたことへの対処が問題。解消されてないのに解決したという、日産の経営陣に問題がある」と日産の経営陣を批判した。

ゴーン容疑者は「最後にお伝えしたいのは公正な裁判を受けること。3人の弁護士から、裁判の公正について安心できる情報はもらっていない。裁判で私の無実を証明したいと切に思っています」と公正な裁判を訴えた。

ゴーン容疑者は、3日にツイッターアカウントを開設し「何が起きているのか真実をお話しする準備をしています。4月11日木曜日に記者会見をします」（原文のまま）と11日に会見を開く考えを明かしていたが、4度目の逮捕により、かなわなくなった。その代わりに、弘中弁護士らが動画を公開した。【村上幸将】