会社法違反(特別背任)容疑で再逮捕された日産自動車の前会長カルロス・ゴーン容疑者(65)の妻キャロルさん(52)が11日、東京地裁に出頭し、初公判前の証人尋問を受けた。手続きは非公開だったが、弁護団の弘中惇一郎弁護士は、キャロルさんの証言が、同容疑者の無罪主張に「確実につながる」と明言した。
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東京地裁職員が出入り口をガードする中、キャロルさんを乗せたとみられる車が出てくると、報道陣が殺到し一時、騒然とした。
事件をめぐっては、ゴーン容疑者の4度目の逮捕容疑となった日産の子会社「中東日産」からオマーンの代理店「SBA」に支出させた約17億円のうち約5億6000万円を「GFI」の口座に送金させた件で、その一部がキャロルさんが代表を務める英領バージン諸島の会社「BY」に流れ、高級クルーザー「SHACHOU号」購入費などに充てられた可能性がある。
キャロルさんは東京地検特捜部の任意の聴取に応じず、5日に東京地裁から証人としての出頭要請が弁護団にあった。ただ、地検に携帯電話を押収されたため弁護団と連絡が取れず同日、フランスに帰国したという。自分や近親者に訴追の恐れがあれば証言を拒否できるが、キャロルさんは弁護団からの「正式な証人決定なので出た方が良い」との提案もあり、拒否しなかった。証人尋問後、取材に応じた弘中弁護士は「昨日、来たばかり」と10日に再来日したことを明かした。
弘中弁護士は「捜査のための尋問なので、弁護士が中身を言うことはできない」とキャロルさんの証言の詳細は明かさなかった。ただ「無罪主張を補強できる内容」との問いに「そういう方向につながると我々は確信している」と答えた。
証人尋問は検察側が4人、法廷通訳が1人おり、検察官の1人が主に質問し、弁護人も必要な尋問はしたという。キャロルさんの尋問後の様子は「大変、緊張しているし、証言が終わった時は、かなりお疲れの感じでしたね」と明かした。
その上で「任意の聴取に代えて証人尋問をやったわけだから終わりだと思う」と、キャロルさんへの尋問は今回が最後になると強調した。【村上幸将】

