東京都渋谷区議選(定数34)では、3月末までアイドルグループ「仮面女子」で「桜雪」として活動していた橋本ゆき氏(26)が初当選を決めた。

スマートフォンで投開票をチェックしていた橋本氏は、当選確実を目にした瞬間、「うわぁーっ」と叫び、顔をくしゃくしゃにして喜んだ。

選挙戦について「基盤もないし、ゼロから始めて。誰あの子? みたいなこともあって。『ゆきちゃんなら変えてくれそう』と言っていただいたりして、いろいろな期待を背負わせていただいた。負けられないと思いました」と振り返った。勝因については「誰よりも駅に立ったと思う。アイドルだから知名度で勝ったと言われそうですが、誰よりも地道な活動をしてきたと思う」と強調した。

東大卒で元アイドルの異色の経歴の持ち主だ。「東大に合格した時はやりたいことができると、手放しでうれしかったけど、今回は1票の重みを感じています。足が震えました」。

「学びとエンターテインメントは表裏一体。学びと遊びがあふれる渋谷区にしたい」と有権者にアピールしてきた。渋谷区議選最年少候補者。同区議の現職に20~30代がいないとして「多様性を訴える区政に、若い世代の声が反映されていない。政治も新しくなるべき」と訴えてきた。

政治への挑戦のきっかけは昨年、同じグループの猪狩ともか(27)が、事故で車いすでの活動になったことだった。「あきらめずに挑戦する姿を見せてくれた。『頑張るね』って、真っ先に報告したいと思います」と笑顔を見せた。

また、芸能活動中に所属していた事務所は5月に退社する。「どういう形でやっていくかは慎重に考えながらですが、政治につながるイベントなどの活動もやっていければ」と話した。

公約を聞かれると「まずは子供たちの教育ですね」と挙げた。「やっとスタートラインに立てたところです。しがらみなく政治をやっていく形を考えたい」と意気込んだ。