囲碁の最年少プロ、仲邑菫(なかむら・すみれ)初段(10)の公式戦デビューは黒星発進となった。第29期竜星戦予選、仲邑菫初段と大森らん初段(16)戦が22日、大阪市の日本棋院関西総本部で行われ、先番の仲邑は一時は優勢だったが、逆転負けした。注目の一戦には海外のメディアも含め40社、約100人が詰めかけた。

仲邑は白いカーディガンに赤白しま模様のブラウス。中盤のせめぎ合いで大ピンチを迎えると、時折、口元をゆがめた。左手のコブシをあごにあてながら必死に考えたが、勝機を見いだすことができなかった。

仲邑は、日本棋院が世界で戦える棋士を育成するために新設した「英才枠」で今年4月に史上最年少の10歳0カ月でプロ入りした。大森は昨年度の関西総本部院生研修リーグで総合3位に入り、同じく新設の「女流特別採用推薦」枠でプロ棋士となった。2人はともに関西総本部に所属する「同期対決」だった。

仲邑は史上最年少の10歳1カ月での初対局で、最年少勝利もかかっていた。