28日午前7時40分ごろ、川崎市多摩区登戸新町の路上で、私立カリタス小学校(同区)のスクールバスを待っていた児童17人、大人2人の計19人が男に次々と刃物で刺された。

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子どもたちを守ろうとして犠牲になったとみられる小山智史さんは、外務省職員で、約10人しかいないミャンマー語の通訳担当官も務めた。日本とミャンマーの交流を支え、将来を嘱望された専門家で、子ども好きでもあった。理不尽な惨劇に、省内外で衝撃が広がっている。

同省ホームページに掲載された小山さんのインタビュー(13年9月)によると、あまり知られていない言語を学ぼうと、大学(東京外大)でミャンマー語を専攻。語学を生かした仕事を希望、04年に入省した。現地の大学や日本大使館で計5年過ごし、カラオケでミャンマーのロックを歌い、語学力を磨いたという。

帰国後は大臣クラス以上の通訳を務めることが期待される「通訳担当官」として勤務。アウン・サン・スー・チー氏が来日した際は私的な買い物にも付き添い、日本のお菓子を探した。国連総会では、ミャンマー外相と会談した岸田文雄外相(当時)の通訳も担当。現在は、広報文化外交戦略課に所属していた。

同省の採用案内にも登場。「両国の交流が進むアイデアを出したい」と話し、妻とミャンマーの衣装を着て撮影した写真も掲載されていた。妻は弁護士を通じて「突然のこと過ぎて、深い悲しみの中にあります。今は何も考えられない状態です」とし、取材自粛を求めたコメントを発表した。