立憲民主党の枝野幸男代表は27日、参院選(7月4日公示、21日投開票)を前に、日刊スポーツなどのインタビューに応じた。

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-比例代表の候補者で、「モーニング娘。」の市井紗耶香氏を選んだ理由は

枝野氏 お会いして正直びっくりしました。政治家として何がしたいか、政策の専門家ではないが非常にしっかりしている。4人のお子さんを育て、「モーニング娘。」で華々しかった時代から時間も経過している。パートやアルバイトも経験され、お子さんを保育所に入れるのが大変だったりと、まさに今、現実の子育て世代の一般的な声を代弁している。そういう方が選挙に出るのはなかなか難しく、出ても戦うことは難しいが、子育て中で苦労されている方々の思いを代弁できる。頑張って当選していただき、リアルな声を国会に届けてほしい。

-比例代表には、多くの著名人を擁立した。話題性が多い半面、ネット上では批判の声も出ている

枝野氏 知名度が高い方であればあるほど、ネガティブな声も一定程度あるのはやむを得ないと思いますが、「タレント候補」を擁立したという意識はあまりありません。多様な当事者的意識で政治にかかわっていただける方、現場の声を分かり、それを届けたいと思っている方。奥村政佳さん(元RAG FAIR)などはその典型で、紅白にも出場した一流アーティストであると同時に保育の現場を知っていて、その悲痛な叫びを届けたいと明確な目的意識がある。「筆談ホステス」の斉藤里恵さんも聴覚障害という当事者の声を持ち、障害者の暮らしやすい社会をつくるため、国会から変えていくと明確な目的意識と当事者性がある。当事者の声を伝えることがまず先にあり、知名度があるからこそ当事者の声も伝えることができる。

-今の心境を、趣味のカラオケにたとえると

枝野氏 乃木坂46の「インフルエンサー」かな。インフルエンサー(社会に影響力を持つ人)にならなければならない。

-前回の衆院選も「インフルエンサー」を目指すとしていた。結党からの日々をどう振り返りますか

枝野氏 前回の衆院選は多くのみなさんに支えていただき、党職員もいない状況であの結果を出させていただいた。ただゼロからのスタートを考えると、「パートナーズ(準党員)制度」なども大変な高い期待をいただきながら、きちんと対応できず試行錯誤の状況ですが、支えてくださる方がいて想定より順調に歩いてきた。でも難しいのは、野党第1党という立場を与えていただいただけに、野党第1党として期待されているものと、ゼロからスタートして今進んでいるものとの間のギャップには、一貫して苦しんでいる。何とか参院選を通じて、このギャップを小さくしたい。

-カラオケで、(モー娘の)「LOVEマシーン」は歌いますか

枝野氏 歌えと言われれば歌います。歌ったことは何度もあります(笑い)

-この曲には「日本の未来は」という歌詞がある。どんな日本の未来を考えていますか

枝野氏 平成の30年で国民生活はボロボロになったけれど、日本という国の単位ではもうかっている。でも国民は実感できない。逆に言えば、所得を底上げするところからの経済の循環や、違いを認め合い力にする社会に転換できれば、ものすごく明るいと思う。(3へ続く)【構成・中山知子】