2020年東京五輪・パラリンピック大会組織委員会は17日、東日本大震災の被災者が居住した仮設住宅のアルミサッシなどを再利用し、復興記念碑を制作する計画内容を発表した。

大会期間中は競技会場などの関連施設に3機設置し、大会後は岩手、宮城、福島の被災3県にそれぞれ設置する。

記念碑は高さ2メートルほど。8月に3県の中高生50~100人が各県単位で集まり、東京芸大の学生が描くデザイン案から採用する作品をそれぞれ選ぶ。実際の制作は同大学生を中心に進める。中高生が考える復興支援に対する感謝のメッセージを記念碑にあしらい、大会関連施設に設置する。

期間中は逆に、各国の選手からサインや被災地に対するメッセージをもらい、大会後にデザインプレートとして記念碑に加える。大会後、被災地で継承される記念碑は、中高生と各国選手のメッセージが半々ほどの割合で組み込まれた唯一無二の作品となる予定。

大会スポンサーで住宅設備メーカーのリクシルが仮設住宅824戸から窓、ドアなどのアルミ部分を回収し、本計画では2トンの再生アルミを精製した。なお、聖火トーチの素材にも824戸から取り出した再生アルミが使われている。

都内で開かれた発表イベントにはテニスの錦織圭(29)、お笑いコンビ・サンドウィッチマンの伊達みきお(44)富沢たけし(45)が出席。錦織は「皆さんの思い出が形になって、みんなに見てもらえて(選手らの)力になるのは、すごいこと。この活動をきっかけにさらに被災地への思いが強くなった。来年、良いメダルを取れるように頑張りたい」と述べた。

伊達は「被災者の方は仮設住宅にいろんな思い出がある。つらさ、新しいコミュニティーの人たちとの思い出、いろいろつまっている。それが記念碑になるのはすごく意義がある」と被災地宮城の出身者として、思いを込めて語った。【三須一紀】