台風15号通過から23日で2週間が経過した。千葉県市原市のゴルフ練習場「市原ゴルフガーデン」の鉄柱が倒れ込んで住宅被害を受けた住民たちの中には、代替の住宅探しが難航している世帯もある。

次男夫婦の自宅が被害を受け、生後3カ月の男児が軽傷を負った会社員の湯浅泰一さん(65)によると、4人以下の世帯に市から7万円の住宅補助が出るが、家賃7万円以上の物件は借りられないルールだという。「1カ月前に犬を飼ってしまったこともあって、条件に合う物件がなかなか見つからない」とため息をついた。「一刻も早く仮住まいのアパートを見つけたいから、一部自己負担してもいいと思っているのに、7万円を少し超える物件はダメだというのもおかしい」と嘆いた。

次男は湯浅さんの自宅で暮らし、次男の妻と男児は妻の実家に身を寄せており、家族バラバラの生活が続いているという。湯浅さんも「アパート探しがなかなか進まず、次男もさすがにイライラしている」と話した。

当初は弁償すると話していた練習場側からは一転、住宅被害は各世帯の火災保険での対応を求められている。住民側は練習場側に住宅被害の原状回復費用の負担を求めたい考えだが、各世帯が火災保険で対応すべき案件なのかの相談も含め、加入している保険会社に何度か電話で問い合わせているが、「担当者が不在なので、後から連絡させます」と言われ続け、いまだに連絡がないという。湯浅さんは「問い合わせが殺到しているのかもしれないが、相談もできない。何も進まない」と頭を抱えている。

複数の住民によると、21日に鉄柱撤去を行う予定の業者が現地調査を行った。ある住民は「天井裏にポリ袋を置くなど、雨漏り対策はしているが、撤去がさらに先になると、これ以上の雨漏りが心配」と話した。【近藤由美子】