自民党の井野俊郎衆院議員(39)は10日午前の衆院予算委員会で、憲法に関する議論の必要性に質問で触れた際、天皇制について、共産党を「改憲派」の立場だと発言し、同党が「でたらめだ」などと、猛反発する場面があった。

井野氏は「たとえば、憲法第1章の天皇制について言えば、恐らく自民党は護憲になる。他方、共産党の皆さんは恐らく、改憲派になると思う」と述べた。根拠として、同党が、国民主権、政教分離の観点から、「即位の礼」の儀式に参加しない意向を示していることに触れた。

ただ、自身の発言に対するヤジで委員会室が騒然となると、「どういうスタンスなのか、それだけでは分からないが」と、釈明のように付け加えた。

この発言に関し、午後、再開された委員会の冒頭、棚橋泰文委員長が「午前の委員会で、公党に対する誤解を与える発言があった。議員におかれましては、発言は十分注意していただきたい」と、口頭で井野氏に注意した。

井野氏は群馬2区選出。12年衆院選で初当選し、当選3回。