菅原一秀経産相は15日の参院予算委員会で、選挙区内の有権者に贈るカニやメロンなどを記した「贈答品リスト」を、十数年前に事務所が作成した疑惑について問われ、「リストは初めて見た。議員会館や地元の事務所に探すように指示したが、秘書はなかったと言っている」と述べた。

「10年前以上のことで、当時の秘書が今残っておらず、当時を知る人も今事務所にいない」「(有権者側にも)品物をもらったかどうか確認をしている。すべてではないが、現時点ではもらっていない、10年以上前のことで分からないという回答を得ている」とも、主張した。

立憲民主党の杉尾秀哉氏の質問に答えた。

杉尾氏に「先週の衆院予算委員会では『金品は渡していない』と言っている。発言が後退している」と突っ込まれた菅原氏が「金品は現金という認識だった」と述べると、批判のヤジが飛んだ。

杉尾氏は、当のリストを作ったという元秘書に会い、話を聞いたとした上で「手書きの表を、事務所のパソコンで打ち直した。代議士とテーブルと向かいあって作業した」「事務所に入りたてだったので、言われるがままに(贈答者の)宛先を書いた」という元秘書のコメントを紹介。菅原氏にリスト作成を命じられたと主張していると指摘した。

「秘書がうそを言っているということか」と指摘された菅原氏は「10年前のことで(証言者が)どなたか分からない」と、「杉尾砲」に、あいまいな答弁を続けた。

杉尾氏によると、元秘書は、菅原氏の事務所で秘書がすぐに辞めたり、賃金の未払いやパワハラがあったことなども主張したという。事務所を辞める際、メロンの領収書や贈答品リストを持ち出したとも話したという。菅原氏は「そういう事実があるのか。私には記憶はない。そういう記憶はない」と否定。閣僚を務められるのか問われると「誠心誠意やっていきたい」と、硬い表情で述べた。

杉尾氏は、元秘書に話を聴いた際の録音テープを委員会に提出する意向を示した。

菅原氏には、選挙区内の有権者にメロンやカニなど金品を送った疑惑が浮上。贈答品のリストには06年にメロン24、かに38、みかん23、たらこ・筋子66、07年にメロン79など、品名や数、送った相手が詳細に記されており、菅原氏は調査する意向を示していた。選挙区での寄付行為は、公選法で禁じられている。