囲碁の最年少プロ、仲邑菫(なかむら・すみれ)初段(10)が17日、大阪市の日本棋院関西総本部で打たれた第59期十段戦予選Cで山田至宝七段(51)に26目半勝ちし、予選C3回戦に進出した。これで国内公式戦の男性棋士との対局は3連勝となった。

年齢差は41歳。経験の差をモノともせず、再び男性棋士から白星を挙げた。9月16日の十段戦予選で古田直義四段(50)、今月3日の第76期本因坊戦予選での山本賢太郎五段(38)に続く、国内公式戦では男性棋士からの3連続白星となった。

ピンクのシャツ、黒いキュロットスカート姿で、イスに座ると、両足が届かないため、用意された踏み台に足を乗せながら、熱戦を繰り広げた。

バツグンの安定感で乱戦を制した仲邑は「(午前中は)少し難しかった。勝ててうれしい」と笑顔を見せた。持ち時間3時間の長丁場だったが、いつものようにピンクの水筒を持参し、水分を補給した。山田は「入段した当時と比べても、どんどん強くなっている」と、10歳の少女の短期間での成長ぶりに驚いた。

初の予選C3回戦へ向け仲邑は「がんばります」と小声で話した。【松浦隆司】