将棋の最年少プロ、藤井聡太七段(17)が18日、大阪市の関西将棋会館で指された第69期王将戦挑戦者決定リーグ3回戦で元竜王の糸谷哲郎八段(31)を破り、リーグ通算成績を2勝1敗とし、白星を先行させた。次回は21日、前人未到のタイトル獲得通算100期を目指す羽生善治九段(49)と対戦する。

初タイトルへ、踏みとどまった。序盤は超ハイペースで指し手が進む展開。中盤に約50分の長考をはさみながらも、熱戦を制した藤井は「激しい攻め合いだった。常に際どかった」と振り返った。

7人総当たりで行われる今期のリーグは、豊島将之名人(29)らトップ棋士がひしめく。藤井以外の6人はいずれもタイトル獲得経験者だ。2回戦では豊島に惜敗。この日も黒星を喫していれば、挑戦権獲得は大きく後退していた。

羽生とは昨年2月、朝日杯オープン戦で対局し、その時は藤井が勝利している。公式戦では2局目となる。最年少タイトル獲得を目指す藤井は大一番へ「羽生先生とは長い持ち時間での対局は初めてなので楽しみ。力を尽くしたい」。負けられない戦いが続く。【松浦隆司】