天皇陛下の即位を披露するパレード「祝賀御列の儀」は10日、総勢約2万6000人の警察官を投入する厳戒態勢だった。全国の警察官に応援を要請し、おなじみのDJポリスも出動した。

皇居宮殿から赤坂御所までの約4・6キロ、約30分間。「令和の祝典」で最高レベルの警備を無事に終えた。

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一連の「即位の礼」のフィナーレを飾る「御列の儀」の厳戒警備。動員された約2万6000人の警察官が、さわやかな秋晴れの中、緊張の時を刻んだ。前日から大勢の観衆が約4・6キロのパレードコースに姿を見せたが、警備陣は不審者、不審物などに目を光らせた。皇居・正門を出た車列は警備車両を含め46台。長さは約400メートルに及び、警視庁や国会議事堂正門、自民党本部前を通りコース周辺を間断なく巡回した。

パレード本番ではDJポリスも登場した。青山1丁目交差点では軽快な口調で観衆をさばいた。午後2時14分には観覧スペースが満杯となり、手荷物検査場で順番を待つ多くの人からは不満の声も上がったが「(パレードの)お列が見られない可能性があります。あらかじめご承知下さい」と、丁寧に説明を繰り返して現場を取り仕切った。

ルート周辺の29地点40カ所で手荷物検査場が設けられた。3段階で持ち物が検査され、「カメラはシャッターを押して確認させてもらいます。持参された飲み物は係員の前で一口飲んで下さい」など事前にアナウンスされた。警察官が手でボディーチェックを行い、最後に金属探知機で全身を調べた。1人当たり2、3分かかり、検査場には長蛇の列ができた。

テロ対策の機動隊「緊急時初動対応部隊(ERT)」や、小型無人機ドローンの違法飛行を警戒する部隊も待機させ、コース周辺のビル屋上やベランダには警官が配置された。沿道の住人には建物の窓からの撮影自粛やベランダなどの洗濯物撤去も要請するなど徹底した。沿道では、自衛隊が「ささげ銃(つつ)」の敬礼をして出迎える場面もあった。約11万9000人(警視庁発表)が祝意を示し、1990年(平2)11月12日の上皇、上皇后ご夫妻の即位パレードの約11万7000人(同)を上回った。【大上悟】