大学入学共通テスト(20年度開始)の記述式問題に関連し、野党から過去の事例で利益相反行為を指摘されたベネッセグループが関連の人事措置を取ることが22日、分かった。

ベネッセは、16年に国語の記述式問題のプレテスト業務を受託。17年に首都圏の高校関係者向け研究会で「大学入試センター試験記述式採点アドバイザリー業務受託」とうたった資料を配布したという。

萩生田光一文科相によると、文科省は21日、ベネッセに厳重抗議し。大学入試センターも指導。共通テスト本番の記述式問題では、ベネッセ傘下の学力評価研究機構が採点業務を受託しているが、それを利用した宣伝行為の自粛を求めた。その上で当事者で協議し、以下の対応を確認したという。

<1>学力評価研究機構の幹部職員や事前に試験問題を知りうる職員については、ベネッセとの兼務を12月1日付で解消し、共通テスト終了後一定期間までは、ベネッセの模試や教材の作成に関わる部門も含め、一切の人事交流を行わない。

<2>学力評価研究機構の全社員について、ベネッセとの兼務を来年2月1日までに解消する。

萩生田氏は「社会的懸念を招かないよう、ベネッセグループとして受け止めてもらわないと困ると厳しく伝えた」とし、信頼性、中立性を求めた。