大学教授、高校教師、現役高校生ら有志が6日、東京・文科省前で大学入学共通テストなどの中止を求める抗議集会を開催した。

現場のさまざまな立場の人々がスピーチ。試験の採点で豊富な経験を持つ講師たちからは記述式問題について「どんなに精緻に準備しても別解が出てくるのが現実」「文字の判別ができない答案も多い。上位の採点者は限られ、受け持つ答案が増える」など、50万人規模での実施は不可能と断言した。

ある高校教師は、高校生活の主体的体験を評価対象にする「eポートフォリオ」の個人情報の取り扱いについて危険性を強く指摘。政治家や文科省に対し「責任は後で取るものではなく、目の前の問題を解決するために、今、果たすもの」と受験生に対して責任ある判断を迫った。

これに先立ち、中京大・大内裕和教授が代表を務める「入試改革を考える会」、福井県立大・木村小夜教授ら国語教育に関わる教員・研究者等有志一同、大阪府立大・嘉田勝准教授ら数学研究者有志一同の3者が、国数の記述式問題の導入中止や、現行のセンター試験の継続を求める、計約3500の署名を文科省に提出した。

大内氏らは「共通テストの記述式問題導入は不可能で、最初から破綻している」「英語の民間検定試験活用とともに2つの柱がなくなるのに共通テストをやる正当性がない」「センター試験を積極的にやめる理由はない」「専門家をまじえて、教育、入試改革についての根本的見直しが必要」などと主張。萩生田文科相に対し、受験生のためにすみやかな決断を強く求めた。【久保勇人】