国民の税金を使って安倍晋三首相が主催した「桜を見る会」で次々と疑惑が噴出している中で9日、臨時国会が閉会となった。この問題で首相の説明責任を果たしていないなどとして野党は、内閣不信任決議案提出を検討したが、見送る方針を決めた。

9日、ラジオ文化放送「大竹まこと ゴールデンラジオ!」(月~金曜午後1時~3時30分)に、「桜疑惑」の火付け役であり、野党追及本部の急先鋒(せんぽう)でもある共産党の田村智子参議院議員(54=比例区)が出演し、タレントの大竹まこと(70)、作家の室井佑月氏(49)と激論を展開。「桜疑惑」について「今やっていることは国家の私物化。国家まるごと安倍総理が私物化しているに等しい」「民主主義の問題として、これで終わらせていいんですかと問いかけていきたい」と語った。

今国会で予算委員会が開かれていないことについても不信感を募らせた。

「本当にごまかして、すり変えて答えないという態度が本会議の代表質問でも明らか。委員会の3分の1以上の議員が求めた場合は、委員長は委員会を開かなくてはいけない。それでずっと折衝していて、予算委員長(参院予算委員会・金子原二郎委員長)は『予算委員会をやりましょう』って提案した。『ただし総理出席は難しそう』だと話しました」と与野党の折衝の内幕を明かし、安倍首相の予算委出席は、自民党側がどうしても拒否にこだわった「逃げまくり」の姿勢を明かした。

田村氏は、長年多くの一般紙政治部記者が、芸能人や安倍首相の地元支持者がこぞって出席してきた「桜問題」のいびつな構造を報道してこなかったことを反省しているというエピソードも明かした。

ある政治部記者は、田村氏に「自分たちは毎回、桜を見る会を取材して、異様な状態だということを見ていたのに問題だと見抜けなかった。『赤旗』に抜かれて、田村さんが(国会で)質問して報道しなくてはと思った」と、多くのメディアも安倍政権のわが物顔の振る舞いに“まひ”していた実情を説明した。

田村氏は「それくらい政権チェックの目が安倍政権の7年間で薄められてきた。ここまで民主主義がガラガラと壊された」と強く批判した。

室井佑月氏は「桜を見る会は前から注目していた。田村智子さんの国会での主張はすごい。ツイッターでも田村さんを応援しすぎて、周りから落ち着けって言われています」と明かした。

メインパーソナリティーの大竹まこと(70)は「この問題をテレビ、新聞がどう報じていくかが大事。公職選挙法違反の問題、データの破棄もそう、これ(桜を見る会)は公金を使ってやったこと。この国は三権分立があるんだし、それを機能させてほしい。桜を見る会なのに、桜なんか誰も見ていないじゃない。60番の枠がどんどん増えてきているじゃない」と辛口の見解を展開。「桜を見る」よりも、多くの芸能人を招いて安倍首相の支持者を喜ばせている仕組みの「会」だったことを皮肉った。

この日で国会は閉会となったが、桜問題を最初に提起した田村氏は「民主主義の問題として、これで終わらせていいのかと問いかけていきたい。国会だけでなくいろいろな人に立ち上がっていただきたい」と話した。