将棋の最年少プロ、藤井聡太七段(17)が10日、大阪市の関西将棋会館で指された第91期棋聖戦2次予選準決勝で北浜健介八段(43)を130手で破り、決勝トーナメント(T)進出まであと1勝に迫った。藤井が屋敷伸之九段の持つ最年少タイトル挑戦記録(17歳10カ月)を更新するには今回の棋聖戦がラストチャンス。同決勝では沢田真吾六段(28)と対戦する。

中盤にリードを広げ、落ち着いた指し回しで寄せきった。「序盤に少し誤算があり、自信のない展開になったが、なんとか盛り返すことができた」と振り返った。最年少タイトル挑戦の記録がかかった第69期王将戦の挑戦者決定リーグでは、挑戦権獲得まであと1勝に迫ったが、最終戦で敗れた。

棋聖戦の決勝Tはシード棋士を含む16人によるトーナメント戦。挑戦権を得るにはここから5連勝が必要になる。一方で、負けた時点で記録更新は消滅する。タイトル戦登場の最年少記録について「まだまだそこまでは遠いです。まずは決勝トーナメント入りを目指して1局1局をがんばっていきたい」。負けられない戦いが続く。【松浦隆司】