顧客対応などを改めなければ12月31日付でフランチャイズ契約を解除すると通告された大阪府東大阪市のセブン-イレブンオーナー松本実敏さん(58)が29日、大阪市内でセブン本部と話し合いを行った。

協議は決裂し、セブン本部は契約解除を最終通告した。松本さんは「セブン本部に意見する人はこうやってつぶされる。私は今後も闘い続ける」。地位確認などを求める訴訟を検討。31日と元日は休業し、2日から独自営業する方針。セブンVS「物言うオーナー」の対立は法廷闘争に移る。

   ◇   ◇   ◇

大阪市のセブン本部事務所で行われた双方の弁護士を交えての話し合いは約3時間に及んだ。松本さんは「顧客からのクレームが出ない接客態度を取ること」、自らの「ツイッターアカウントの削除」などの回答書を持参した。

「せめてあと1カ月、様子をみてもらえないか」と営業継続を希望したが、セブン本部側からは「営業を続ける方向での話し合いはできない。ひどい事例は通り越し、信頼は回復できない」と言われ、松本さんに貸し出している土地や店舗を31日に明け渡すように求めたという。

すでにセブン本部側は、20日に接客態度を改めなければ契約を解除すると伝えており、この日が事実上の最後通告となった。協議後、取材に応じた松本さんは「セブン本部に意見する人はこうやってつぶされる。私は今後も闘い続ける」と徹底抗戦を宣言した。

解約解除により、30日午後11時の閉店以降、商品の発注やレジなどセブン本部が用意するサービスが利用できなくなる。31日と元日は休業し、2日から独自営業する方針。2日からはセブン-イレブンではなくなるが、「商品を仕入れることができるのかどうか仕入れ先を回ってみたい。レジも用意する」。年明けにも地位確認などを求める訴訟を起こす予定。

松本さんは人手不足を理由に、今年2月から本部の許可を得ず、自主的に時短営業をスタート。コンビニの24時間営業問題の議論のきっかけをつくり、最近ではセブン本部の年中無休の原則に反し、元日を休業にすると表明していた。

コンビニ最大手セブンから「物言うオーナー」への最後通告。松本さんは「(裁判の)結果が出るまで、石にかじりついてでもやっていく。1人では勝てない。応援してくれる人もいる」と話した。

さらに「時短のときから覚悟はしていた。自己破産してもいい。コンビニ業界にとっていい方向にいくためにやっていく」。セブン本部の広報担当者は「現在双方の弁護士間の協議に入っているため、コメントは差し控えたい」と話した。【松浦隆司】

○…2日から独自営業する店舗の商品はどうなる? 松本さんによると、おにぎり、弁当などの商品は仕入れることができなくなり、陳列できないという。当面は在庫商品を販売するが「私も初めてのことなので、どうなるか。商品の品薄感が出ないかどうか」と不安を隠せない。30日深夜にはセブン本部から提供されているレジも使えなくなる。店内のATMも「おそらく使えなくなる」という。