会社法違反(特別背任)などで起訴された日産の前会長カルロス・ゴーン被告(65)が、日本を出国し、国籍があるレバノンの首都ベイルート入りしたと各国メディアが報じた。フランスのAFP通信電子版は、現地の警備担当者の話として「ゴーン氏は日曜(29日)にベイルートの空港に到着した」と報じた。ゴーン被告の保釈の条件には

「逃げ隠れしたり、証拠隠滅と思われるような行為をしてはならない」

「3日以上の旅行をする場合には、前もって、裁判所に申し出て、許可を受けなければならない」

「海外渡航をしてはならない」

とあり、海外への渡航は禁止されている。

レバノンのアル・ジョウムフーリア電子版によると、ゴーン被告はプライベートジェット機でトルコを経由してベイルート入りしたという。同紙は「ゴーン被告が日本を出国する際、裁判所の許可を得たか否かは不明」とも報じた。

ゴーン被告は、18年11月19日に役員報酬を有価証券報告書に少なく記載したとして金融商品取引法違反の疑いで、同12月21日には08年に資産管理会社と新生銀行との間で「スワップ取引」を契約した中、契約者を日産に変更し、約18億5000万円の評価損を付け替えた、特別背任容疑で再逮捕された。3月6日に保釈されたが4月4日に4度目の逮捕をされ、同25日に再保釈された際は、キャロル夫人との接触禁止など東京地裁から厳しい保釈条件を付けられていた。11月22日には都内の弁護士事務所でビデオ会議システムを使ってキャロル夫人と4度目の逮捕後、7カ月ぶりに面談していた。

アル・ジョウムフーリア電子版は、ゴーン被告が近日中に会見を開き、日本から“逃亡”した理由を説明することを希望しているとも報じた。