新型コロナウイルスによる肺炎の対策で、中国が海外への団体旅行を27日から禁止するとした発表から一夜明けた26日、春節(旧正月)期間中の人気渡航先1位とされる日本の観光地などでは急なキャンセルへの対応や対策が練られた。

予約のキャンセル料をめぐっては、客の自己都合ではなく中国政府の決定だけに、客側に請求しない対応がほとんど。東京ディズニーランドなどを運営するオリエンタルランドの担当者は「4つあるディズニーホテルへの予約があるか、パークチケットを購入している方には、キャンセル料金をいただくことはありません」とした。

東京スカイツリーの担当者も「公式ホームページなどで天望デッキなどの前売り券を購入いただいた方は、キャンセル料金をいただきません」と回答した。

一方、感染拡大が続き、収束のメドがたたない状況に心配の声もあがった。群馬県の草津温泉のホテルでは「キャンセル料金はいただきません」としながら、地域としてインバウンド需要を伸ばす取り組みを続けており「(春節の時期に)中国からの観光客の方が来られなくなると厳しい」とも話した。札幌市の一部ホテルでは、中国人の予約客からのキャンセル連絡が入り始めた。

大阪市中央区の道頓堀の人気飲食店は「お客様の約3割が中国人観光客の方。この調子だと、今後が少し不安です」と本音をこぼした。 【佐藤勝亮】