ネット上で「アゲアゲさん」と呼ばれ、「将棋ユーチューバー」として活躍する将棋のアマチュア強豪、折田翔吾アマ(30)がプロ入りを目指す、棋士編入試験5番勝負第4局の本田奎(けい)五段(22)戦が25日午前10時から、東京・千駄ケ谷「将棋会館」で始まった。折田アマはこの日も主催者側が用意した脇息(きょうそく)ではなく、自ら持参した脇息をカバンから取り出し、記録係に交換を求めた。

事前に先後は決まっており、先手の折田アマ先手2六歩、後手本田後手8四歩と、お互いに飛車先の歩を突いた。

折田アマは第3局まで2勝1敗。第1局で黒田尭之(たかゆき)四段(23)に勝ったが、第2局で出口若武(わかむ)四段(24)に敗退。第3局では山本博志四段(23)を下し、プロ合格まであと1勝としている。

対する本田は現在、第45期棋王戦5番勝負で渡辺明棋王(王将・棋聖=35)に挑戦中で、1勝1敗と互角の勝負を演じている。四段昇段(プロ入り)から1年4カ月と、史上2番目の速さ(最速は屋敷伸之現九段の1年2カ月)でタイトル戦に初めて登場している。

両者のプロ棋士養成機関「奨励会」の三段リーグで1勝1敗。折田アマは第3局終了後、「あと1勝。大きな勝負になるが、次も楽しんで臨みたい」と話していた。売り出し中の若手実力者を相手に、ぶつかっていく。

持ち時間は各3時間。同日夕方には決着の見込み。