関東地方に雪が降る前、埼玉県幸手(さって)市の幸手権現堂桜堤で、満開の桜と菜の花の共演が花見客の目を楽しませていた。

同県久喜市と幸手市にまたがる県営権現堂公園の一部で、全長約1キロにわたって約1000本のソメイヨシノが並ぶ。菜の花畑の黄色と桜のピンクが織りなすコントラストは、関東有数の名所として知られる。

今年は新型コロナウイルスの影響で、90回を数える「幸手桜まつり」は中止となった。桜並木に花を添える約100の露店はなく、花見客には宴会自粛やマスク着用が呼びかけられた。

來珠(くるみ)ちゃん(2歳10カ月)と縁士(えにし)くん(6カ月)を連れて同園を訪れた群馬県昭和村の小川和子さん(35)は、「屋内で遊ぶ施設に子どもたちを連れて行きづらい中、外に連れ出せるとホッとする」と話す。

この日は、來珠ちゃんと同じ日に同じ産院で生まれた友達も一緒だった。「おんなじ洋服だ~!!」と喜びはしゃぐ2人。おそろいの白いワンピースは、黄色とピンクの世界に2輪の白い花が加わったようだった。

<撮影データ>3月25日午後1時13分撮影 ソニー「α92」 70-200ミリズームレンズ(焦点距離178ミリ) ISO感度200 シャッタースピード1600分の1 絞り2.8