東京都が休業要請に応じないパチンコ店名を公表する予定だった28日、小池百合子知事は正午前に、休業要請してきた対象店で営業を続ける店がゼロになったと発表し、店名公表をいったん見送った。しかし、その後に営業している店舗の情報が寄せられる混乱があった。小池氏によると、この日も少なくとも都内で4店が営業したという。今後、応じなければ、店名を公表する方針だ。

通常営業していた葛飾区のある店には、午後になって急きょ、複数の都職員が訪れ、店長に休業の要請書を渡した。職員によると、店側は「本社に伝える」と回答したという。店内には午後にも数十人の客がいたが、空席もあった。様子を見に立ち寄る高齢者らの姿もあった。

都は、情報提供などをもとに営業していた156店を対象に、職員60人で15チームをつくり、巡回などして休業を要請してきた。小池氏はこの日昼、27日時点でも22店が営業していたが、28日にはすべて休業に応じたとし「説得やお願いを重ねて、ゼロになった。ご協力ありがとうございました」と感謝していた。同夕には、なかなか完全なゼロにならない状況に「まだ続けておられるのかという思いと、まだいらっしゃる方もいるのかと、両方です」などと話した。

都内ほぼすべての約770店舗が加盟する東京都遊技業協同組合も再三休業を働きかけてきたが、24日には組合員に対し「最後通告」という文書を送っていた。パチンコ店もセーフティーネットなど公的融資の対象になる見通しになったとし「最後通告として、都知事からの休業要請を受諾する決断をしていただきたい」と訴えた。その上でこれ以上営業継続する場合には除名手続きを検討すると伝えていた。この日も営業を継続している店に対してもさらに働きかけ、なお応じない場合に除名を検討する可能性もあるという。