トヨタ自動車は、新型コロナウイルス感染症による重症患者の移送用に特別改装した車両1台を30日、昭和大学病院に提供した。

国内メーカーが開発した重症患者向けの移送用車両は初めてとなる。同車両は医療機関からのさまざまな要望を基に同社のバン「ハイエース」をベースにトヨタ車体が開発と架装を行った。

運転席と助手席のある車両前方スペースと、後部座席以降の車両後方スペースの間に隔壁が設置されている。排気ファンで後方の空気を常に外部に排出することで、後方の空気が前方に循環しないようにコントロールした「飛沫(ひまつ)循環抑制車両」となっている。重症患者を乗せた担架ごと設置されたリフトで収容、降車させることが可能となっている。同社では、これまでに軽症患者向けの移送用車両11台を医療機関や地方自治体などに提供している。