コロナ禍で外出制限やテレワークの日々を送るなど、苦難の日々が続いています。プロ野球やJリーグなど各種スポーツ、芸能イベントも開催できない状況です。日刊スポーツでは心温まる、ホッとひと息つける「ホッコリ ニッカン」面を新設しました。「日本の色」と題して、鮮やかな写真とともにお届けします。

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情緒あふれる町並みが楽しめ、岡山でも屈指の観光地の倉敷美観地区。橋の近くで写真を撮っていると、向こう岸にいる男性に声をかけられた。約1時間後に結婚式の前撮りを行う新郎新婦が川舟に乗ること、川舟の後ろに桜の木と白鳥が写ってきれいに撮れる場所があることを教えてくれた。

自転車で美観地区に来ては、新郎新婦の写真を撮るのを楽しみにしているそうだ。過去に撮った写真を誇らしげに見せながら「せっかくならいい写真撮って帰りなよ」と笑顔で話してくれた。和装の2人は風情ある白壁の建造物や柳並木によく映え、撮っているだけでも幸せな気分になった。

撮影に行った日も人はまばらで、営業している店は少なかった。名物の川舟も緊急事態宣言を受けて、20日まで営業を中止。観光案内所の倉敷館や大原美術館も臨時休館を余儀なくされている。船頭の久保勝行さん(70)は「むちゃくちゃ寂しい。早くにぎわってほしい」と話した。一刻も早く事態が収束し、再び活気を取り戻すことを願うばかりだ。【鈴木みどり】

<撮影データ>4月14日午後3時58分 ソニー「α92」 ISO感度640 100-400ミリ(焦点距離181ミリ) シャッタースピード1000分の1 絞り5.6