将棋の藤井聡太七段(17)が木村一基王位(46)への挑戦権を目指す、第61期王位戦挑戦者決定リーグ戦最終一斉対局の阿部健治郎七段(31)戦が、13日午前10時から東京・千駄ケ谷「将棋会館」で始まった。

先後は事前に決まっており、先手阿部先手2六歩、後手藤井後手8四歩と、お互いに飛車先の歩を突いてスタートした。両者は前期の第27期銀河戦本戦トーナメントEブロックで対戦し、藤井が勝っている。

この一斉対局は4月20日に予定されていたが、コロナ禍で延期された。リーグは、紅白各組6人ずつに分かれての総当たり戦。藤井は白組に所属し、同日同所で同時刻から始まった同組の対局はほか、羽生善治九段対菅井竜也八段、稲葉陽八段対上村亘五段。紅組は佐々木大地五段対豊島将之名人・竜王、永瀬拓矢叡王・王座対本田奎五段、鈴木大介九段対佐藤秀司七段(いずれも上が先手)。

藤井は現在、白組トップの4戦全勝。阿部に勝てば同組優勝となり、紅組優勝者との挑戦者決定戦(23日、場所未定)に進出する。さらに挑決で勝つと、棋聖戦に続き挑戦権を得る。敗れた場合、3勝1敗同士で直接対決となった羽生対菅井の勝者と、白組挑戦者決定戦進出者を決めるプレーオフを行う。

前局(10日、大阪市「関西将棋会館」)、王座戦2次予選決勝で20年度初黒星を喫した。大橋貴洸六段に敗れて、永瀬王座への挑戦権を失った悔しさを晴らしたい。

紅組トップは4戦全勝の永瀬。勝てば、スンナリ優勝が決まる。負ければ、やはり永瀬を3勝1敗の同星で追う佐々木対豊島の勝者とのプレーオフとなる。

持ち時間は各4時間。いずれも13日夜には決着の見込み。