ジャーナリストの伊藤詩織さん(31)が20日、15年4月に元TBSワシントン支局長の山口敬之氏(54)から性的暴行を受けたと17年に実名を公表して明らかにした後、インターネット上で事実に基づかない誹謗(ひぼう)中傷の投稿により精神的苦痛を受けたとして、自民党の杉田水脈衆院議員(53)を相手に、220万円の損害賠償、工学者で株式会社Daisy代表取締役の大沢昇平氏(32)に対して、110万円の損害賠償などを請求する訴訟を起こした。この日午前、訴状を提出した。

伊藤さんは、この日の会見には登壇しなかった。山口氏との裁判から担当する、西広陽子弁護士は、伊藤さんの欠席の理由について、本人の精神的負担が大きいと説明した。同弁護士は、6月8日にツイッター上で「枕営業」などの誹謗中傷の投稿で精神的苦痛を受けたとして、漫画家はすみとしこことA氏、同氏のツイートをリツイートした2人を相手に損害賠償などを請求する訴訟を東京地裁に起こした際の会見数日前から、伊藤さんが体に変調を来していたと明らかにした。

西広弁護士 実は会見の数日前から「あまり食事がのどを通らない」と当日も言っていた。会見の時点でも、水がのどを通るか通らないかという感じで。精神的にも集中しているところもあったが、しんどかった。「あまり眠れないし」とも聞いていた。

その上で、西広弁護士は「はすみさんに対する訴訟もそうだが(山口氏との)控訴審も続き裁判は増えている。彼女自身、誰かと戦いたくない。自分がやらなければいけないと思ってやっているものの、裁判の数が増える。プレッシャーが、どんどん増えていると端で見ていて感じる」と伊藤さんの近況を紹介。「数日間、体調が良くない。しんどそうだなと」と会見を見送らざるを得なかったと語った。

6月8日の会見後の伊藤さんの近況について、さらに聞かれると、西広弁護士は今回の訴訟提起に至った大沢昇平氏のツイッターによる批判的な投稿に対し、伊藤さんが著しいショックを受けていたと明かした。「ショックを受けていた。(6月8日の)会見後、デマが拡散された。前回の会見で、ああいう発言をしても、さらに誹謗中傷はされるんだなという感じ」。

伊藤さんは今回の会見を欠席するにあたり、弁護団を通じ「はすみさんに対する裁判と同じように、性犯罪被害者が声を上げられない状況をおかしいと思っている。自分が傷ついた発言に関し、抱えて過ごしたら、同じ立場の人が声を上げられなくなる。自分はつらいが、看過できないものに関しては声を上げていきたい」とのコメントを発表した。