東京都は12月31日、新型コロナウイルス新規感染者が1337人報告されたと発表した。12月26日の949人を一気に400人近く上回り、過去最多を大幅に更新。初めて1000人を突破し、感染拡大の深刻化が一層鮮明となった。都内では、病床や医療体制の逼迫(ひっぱく)が懸念されており、新たな対策を求める声が強まりそうだ。

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循環器及び感染症専門の愛知医科大・後藤礼司医師 ロックダウンではなく経済優先の政策から、新規感染者が1000人を超えることは予測できたことです。今後については年末年始の人の動き次第ですが、決して楽観視はできないです。年末年始は基本的に保健所は休みです。今年は臨時出勤の方もみえるでしょうが、手薄なのは間違いなく、年末に会社等でクラスターが発生していたと判明しても社員が休みに入っていて、帰省していれば検査が迅速に進められません。

現状、残念ながら人の動きが減らなければ、感染者が減る要因はありません。例に出せば、学校ではクラスでインフルエンザがまん延した時、学級閉鎖されます。このままダラダラとバランスを取る政策が良いのか、そうではないのかは政府に選択が委ねられます。

医療現場は逼迫(ひっぱく)しています。もともと冬場は病床稼働率も高く、患者さんが受け入れを断られるケースも多々あります。病床稼働率が100%にならなければ大丈夫、との考えは大間違いですし、今の実情に合わせたシステムを既存のものだけではなく、しっかりと議論する必要がある。それがなければ、この冬はコロナ以外の患者さんを断らなければならない、本当に厳しい冬になってしまうでしょう。