5日、2021年初競りの一番マグロは仲卸「やま幸(やまゆき)」が落として、米国にもすしなどの日本食で支店展開する「銀座おのでら」が購入した。

この一番マグロは4日、青森・大間港「第68幸福丸」がはえ縄漁であげた208・4キロ。

キロ単価10万円、1匹2084万円で競り落としたやま幸の山口幸隆社長(57)は「今までの億単位の競り値がおかしい。ようやくご祝儀相場の金額になった。いいマグロですよ」と笑顔をみせた。

購入したおのでらでは銀座本店や総本店で、この日の5000円のコースランチからメニューに入れ込んで提供した。また、店頭で解体し、そのまま中国・上海店、米国ロサンゼルス、ハワイの各支店にも空輸された。

初競り前日の4日夜、山口社長と、おのでらの坂上暁史世界統括総料理長(47)が日本酒をくみ交わしながら「ネガティブな話題しか取り上げられない世の中なので、せめて初競りぐらいは明るい話題を提供したい。一番マグロをおとしましょう」と話していたという。

ただ、今冬の津軽海峡のクロマグロ漁は安定せず、28日まで100キロ超の大型は1匹もあがっていなかったという。山口社長は「シケで海に出られないこともあったし、太平洋はマグロが揚がっていなかった。こんな大間は今まで経験したことがない。今回おのでらにはあと2匹入れたけど、すべて素晴らしい」と絶賛した。