雪合戦の熱は絶やさない。「昭和新山国際雪合戦エキシビションマッチ」が28日、オンラインで開催される。30年以上の歴史を持つ「昭和新山国際雪合戦」は、コロナ禍で2年連続の中止が決定。運営サイドは規模を縮小したエキシビション試合を行い、熱戦の模様を配信することで日本最大級の雪合戦イベントの魅力を発信していく。

エキシビションは会場を聖地である壮瞥町から由仁町に一時的に移し、無観客で行われる。道内の有力4チームで試合を行い、インターネット動画配信サービス「ニコニコ生放送」を通じて全国にライブ配信する。阿野裕司実行委員長(58)は「この大会は今や北海道の大事な観光資源。ネットを通じて関心を持ってもらい、アフターコロナ期の開催に備えていきたい」。オンラインに活路を見いだし、認知度を高めていく。

北海道情報大の学生が開発した雪合戦コンピューターゲーム「SNOW FIGHTERS」も一役買う。将来的にはeスポーツとの融合も視野に入れ、今イベントでもオンラインによる体験交流会も企画している。同大の河原大講師(42)は「学生たちとは今後、競技ルールなどを踏襲したリアリティーのある3DやVRゲームをつくるプランを検討している。eスポーツ界は今、盛り上がっている。将来的に北海道発の雪合戦eスポーツ大会ができれば、相乗効果に期待できるかもしれない」と夢を広げた。【奥村晶治】

◆昭和新山国際雪合戦 壮瞥町の冬の観光を活性化させようと、87年12月に雪合戦のイベント化を考案。88年にルールが完成し、雪球製造器、雪合戦ヘルメットなど用具の改良を経て、89年2月に70チーム参加で第1回大会を開催。91年レディースの部を新設。13年には国際雪合戦連合が発足し、国内外から多くの人が訪れる日本最大級の雪合戦イベントとなった。19年の第31回大会は、海外4カ国を含む150チームが参加し、約2万人を動員した。

◆eスポーツ 「エレクトロニックスポーツ」の略でコンピューターゲームを使用した競技。90年代後半から中国、韓国や欧米では賞金の懸かった大規模イベントが開催されプロリーグもある。日本でも18年にプロライセンス制度が設けられた。競技人口は全世界で1億人以上といわれ、24年パリ五輪で競技採用される可能性もある。